対処法

へバーデン結節に必要な対処法

へバーデン結節はどうすれば、よくなるのでしょうか?

へバーデン結節をよくするには、患部を温めて血流を良くする事。
そして、患部の安静が必要です。しかし、日常生活を考えると、指先の安静は難しい事が分かります。そこで、このページではへバーデン結節の治療について述べていきます。

  • 病院でのリハビリ・注射・薬による治療
  • へバーデン結節専門鍼灸について
  • テーピングなどのセルフケア

病院で行われる検査・診察の流れ

へバーデン結節の診断にはレントゲンで撮影してから、診察が行われます。また、指の第2関節に痛み・腫れ・変形がある場合は、慢性関節リウマチの可能性があるので、採血が行われます。

へバーデン結節の病院で行う検査

  • レントゲン撮影
  • 採血
  • 採尿

検査が終わり、診察のレントゲン所見で指先の関節の隙間が狭かったり、変形がみられれば、へバーデン結節と診断がされます。(採血・採尿が問題ない場合)

その後、シップ・塗り薬を処方され、痛み・腫れが強い場合はロキソニンなどの消炎鎮痛剤が処方されます。

また、電気治療などの物理療法を行う事もあります。

  • シップ・塗り薬
  • 消炎鎮痛剤(例:ロキソニン)
  • ステロイド注射
  • 物理療法

へバーデン結節で行われるリハビリ

へバーデン結節のリハビリは電気療法が中心に行われ、指先の血流を良くする事を目的に行われます。

へバーデン結節に行うリハビリ

  • 低周波
  • エコー
  • マイクロ
  • パラフィン浴
  • ライザー

へバーデン結節の治療で一番重要なのが、温めて血流を良くする事です。
ただ、病院によっては、このようなリハビリをせず、薬の処方だけで終わる事もあります。

へバーデン結節にはシップは効果があるのか?

病院を受診すると、必ず、シップ・塗り薬を処方されます。やや、頼りない印象を受けるかもしれませんが、症状が軽い間は、痛み・腫れを軽くする効果があります。

また、シップを指先に巻くだけで、テーピングのような固定力を発揮するので痛みが軽くなる事があります。

また、お風呂上りなどは、血流がよいので薬効成分の吸収がよくなります。シップや塗り薬などはお風呂上りなどに活用されるといいと思います。

シップはどれくらい持つのか?

シップの効果は2~3時間です。もしへバーデン結節でシップを使用される場合は、2~3時間経ったら剥がし、1時間ほど間隔を明けてから新しいシップを貼るようにしましょう。

へバーデン結節学会 病院で処方される湿布

冷シップがいいのか温シップがいいのか?

へバーデン結節は、基本的に温める事が良いのですが、シップに関してはどちらでもかまいません。冷シップ・温シップは、体に貼り付けた瞬間に冷たく感じるか、温かく感じるかの差で、体を冷やす・温める効果はありません。
そのため、冷シップ・温シップ、どちらを使用しても大丈夫です。
ただ、温シップはかぶれやすいという難点があります。もし、悩まれるのであれば、冷シップを使用する事をお勧めします。

へバーデン結節にはなぜ、ステロイド注射は積極的に行われないのか

へバーデン結節の治療 ステロイド注射へバーデン結節でも痛み・腫れが強い場合、指にステロイド注射を行う事があります。
また、ステロイド注射は関節の痛み・腫れに対し、即効性があるのが特徴です。
へバーデン結節の治療 ステロイド注射しかし、ステロイド注射は副作用が強く、腱断裂のリスクがあるので積極的に行わないのです。

また、指先の小さな関節に注射をするのも難しく、本当に症状が強い場合にしか注射は行われません。

手術の是非

へバーデン結節で手の専門外科などを受診されると、手術を提案される事があります。しかし、手術といっても、ピンで固定して、指を曲げられなくするので、あまりお勧めしません。

へバーデン結節の一番の問題点は?

へバーデン結節で一番問題となっている事は何でしょうか?痛み・腫れ・変形でしょうか?

いえ、それは、「へバーデン結節は治らない」という医師の言葉を信じて、
(へバーデン結節は治らないんだ……)と諦めている事が一番の問題なのです。

状態に合わせて、適切な処置を施す事で治療は可能なので、しっかりと見極めていきましょう。

へバーデン結節には、手に特化した鍼灸が効果的

手のツボ 高麗手指鍼学会では高麗手指鍼という鍼灸でへバーデン結節を施術します。手のツボ 高麗手指鍼
高麗手指鍼は手の平に全身のツボがあり、へバーデン結節のツボは薬指にあります。
鍼をする事で、痛み・腫れが軽減し、今まで、痛みを我慢しながらしていた「料理・ピアノ・仕事」などが、楽しんでできるようになります。

また、セルケアも含め、症状に合わせたオーダーメイドの施術を行います。

症例1 52歳 女性 職業:会社員

【主訴】右4・5指先の痛み

【既往歴】
平成15年 両親の介護により右4・5指に痛み出現
整形外科でへバーデン結節と診断。
ロキソニンを処方されるが症状変わらず。
その後、痛みを我慢しながら生活をしていた。
平成29年 2月7日 知り合いのご紹介で来院。

【来院時の症状】
へバーデン結節 症状 第一関節(DIP関節)の痛み 変形へバーデン結節 症状 第一関節(DIP関節)の痛み 変形

右4指は腫れが強く、安静にしていてもズキズキと痛む。
右4・5指は曲げ伸ばしで痛みを感じ、ぶつけるだけで激痛。

【施術】
平成29年2月7日 鍼治療と自着性包帯のテーピングによるセルフケアを開始。

1回目の治療後、右4指の安静時痛みは消失。
右4・5指の腫れも軽減。

2回目の治療後には、指の曲がりも良くなり、痛みはあるが右手を使えるようになった。

3回目の治療後、趣味の和太鼓を再開。 和太鼓の練習後、以前のような強い痛みが出なかった。

6回目の治療後には指をぶつけた時の痛みも無くなり、和太鼓のバチもしっかりと握れるようになった。

症例2 48歳 男性 職業:電気整備士

【主訴】両母指の痛み

【既往歴】
平成23年 電気工事で親指に力を入れた時に両母指に痛み出現。
その後、2~3年、痛みが引かず症状悪化。
整形外科にて、へバーデン結節と言われたが、特に治療はなし。その後も、痛みを我慢しながら仕事を続けるも、両母指の関節の痛み・腫れが強くなり、親指の関節が真っ赤に腫れ上がった。

【来院時の症状】
親指をぶつけると痛む
指に力を入れると激痛

【施術】
平成28年10月11日 鍼治療開始。
仕事中もテーピングをするよう指示。

1回目の治療後、両母指の腫れが軽減。
左母指は痛むが、右母指はぶつけても痛くなくなった。

2回目の治療後、左母指の腫れが軽減し、力も入るようになったので作業がスムーズにできるようになった。

5回目の治療後、右母指の痛みは殆ど感じない。

8回目の治療後には両母指の痛みも腫れも無くなり、忙しさのピークで指を酷使したが、問題なく作業ができるようになった。

症例3 53歳 女性 職業:ネイリスト

【主訴】左5指の痛み・腫れ

【既往歴】
平成23年 誘因なく、左5指に痛み・腫れ出現
その後、整形外科でレントゲンを撮影し、へバーデン結節と言われるが、治りませんと言われてしまった。

【来院時の症状】
へバーデン結節の腫れ 痛み 変形 ネイリストへバーデン結節の腫れ 痛み 変形 ネイリスト

指を握り込むと痛む
指先をぶつけると痛む
お皿を洗う時に痛む

【施術】
平成29年5月24日 鍼治療開始
1回目の鍼後、痛みは変わらないが腫れは引いてきた。

5回目の鍼後、腫れはほぼ消失。ただ、痛みは残っている。

8回目の鍼後、ぶつけた時の痛みはあるが、握り込んだ時の痛みは軽減し、仕事に支障が無くなった。

症例4 60歳 女性 主婦

【主訴】右2・3指の痛み 左3指の痛み

【既往歴】
平成27年 誘因なく右2・3指と左3指の指先に痛み出現平成28年 孫のセーターを編むため手芸を始めたら、症状悪化。
その後、整形外科にてヘバーデン結節と診断。シップを処方された。しかし、その後も症状、改善せず。

【来院時の症状】
右3・4・5指の腫れが強く、安静時痛も強い
両手が痛くて、包丁を握れない
指先をぶつけると激痛
孫と手を繋ぐと激痛

【施術】
平成28年 7月6日来院 鍼治療開始
1回目 症状に変化なし。
2回目の鍼後、両手の痛みが軽くなった。
そして、右3・4・5指の腫れも軽くなり、今まで我慢していたゴルフを再開したくなってきた。

3回目の鍼で左の指の腫れ消失。指の曲げ伸ばしの痛みも消失。
右3・4指の曲げ伸ばしの痛みはあるが、腫れは軽減。

洗い物、髪を洗う時、指先に軽い痛みを感じる

5回目の鍼後、日常生活動作で痛みを感じる事は無くなった。

6回目の鍼後、ゴルフ再開。
テーピングと手袋を着用したら、痛みなくゴルフができる。

7回目の鍼後、指をぶつけた時の痛み消失。孫と手を繋げるようになった。

毎週のようにゴルフに行かれるので、ケアも含め、現在もフォロー中。

症例5 60歳 女性 職業:主婦

【主訴】右3指の膨らみ(ミューカシスト)

【既往歴】
平成28年 誘因なく左3指の爪の下に小さな膨らみ(ミューカシスト・水泡)が出現。
その後、皮膚科にて膨らみを潰したが一ヵ月後に再発。

その後、近所の整形外科・大学病院も受診したが「治らない」と言われてた。
膨らみは、自然に破れて小さくなったが、また、大きく膨らむ。
そして、膨らむ時に指に強い痛みを感じるようになった。

【来院時の症状】

へバーデン結節 症状 第一関節(DIP関節)の痛み 変形膨らみが大きくなると、膨らみの周辺が赤くなり強い痛みを感じる
ピアノの演奏で指の膨らみに鍵盤が当たると痛む。
時々、自然に破れるが、スグに再発してしまう。

【施術】
平成29年10月3日 鍼治療開始
普段はテーピングをするよう指示

1回目に鍼の後、水泡の周りの痛みが消えた。

平成29年12月20日 9回目の鍼の後、水泡がポロッと取れた。
その後、症状安定。

H30年1月21日 症状再発

H30年1月25日 10回目の鍼後、水泡が再び取れ、その後、再発せず。
へバーデン結節 症状 第一関節(DIP関節)の痛み 変形

その後は、症状再発せず、指先の水泡を気にする事なくピアノの演奏を続けている。

鍼と高麗手指鍼の違い

通常の鍼では、鍼自体が長く、指先に鍼をするような構造になっていません。
また、現在の鍼灸界では指の第1関節を治療するという概念が無く、へバーデン結節に対応できる先生がいません。

へバーデン結節の鍼灸 高麗手指鍼へバーデン結節の鍼灸 高麗手指鍼しかし、高麗手指鍼は手に特化した鍼灸です。
へバーデン結節の症例も豊富なため、日本で唯一のへバーデン結節専門の鍼灸を行っているのです。

高麗手指鍼では、へバーデン結節に対して、薬指のツボへの鍼。
そして、痛みのある指にも直接、鍼をする事で指の関節の炎症を抑え、以前のように痛みを気にする事なく日常生活を送る事ができるようになります。

へバーデン結節の分類

ステージⅠ 特定の動作をした時だけ軽く痛むが、日常生活動作は可能
ステージⅡ 指の第1関節(DIP関節)が腫れている
仕事・日常生活動作で痛みを感じる
ステージⅢ 指先を軽くぶつけただけで激痛
痛みで物を落とす事が多くなった
指が腫れて太くなり、仕事、日常生活動作に支障が出る
指先の関節の変形がみられる
ステージⅣ 指先の関節を軽く触れるだけで激痛
物をつまめない
痛みで指を曲げる事ができない
指先を使わない時も痛みを感じる

セルフケアだけで対応できるレベル

へバーデン結節のステージⅠ~ステージⅡのレベルでは、日常生活には支障が出ません。また、関節の変形も見られません。

このレベルであれば、シップ、塗り薬の対応で十分です。

また、特定の動作で痛む場合は、その動作をする時だけテーピングしましょう。

対処が必要なレベル

へバーデン結節のステージⅢ以上になると、痛み・腫れも強く、変形も見られるようになるので日常生活に支障が出てきます。このレベルではセルフケアだけでの対応も難しく、「痛みが引かない……この痛みは何だろう?」と不安になるので適切な対処が必要になります。

へバーデン結節の簡単なセルフチェックができるサイトをご用意しました。痛みに不安がある方。是非、お試し下さい。

 

⇩⇩⇩下記をクリック(外部リンクへ移動します)

へバーデン結節のセルフチェック

お灸によるセルフケア

手のツボ お灸手のツボ お灸へバーデン結節もお灸によるケアの方法があります。お灸も血流がよくなるので効果的なのですが、専門家の指示が必要です。

お灸のセルフケアに関しては、来院された方のみアドバイスしています。

安静は必要か?

へバーデン結節のセルフケアの基本は安静です。しかし、指を固定するのには日常生活での負担が強くなってしまうので、軽い固定で手を使いながら、治療をしてく事が症状改善に繋がります。

へバーデン結節の固定はテーピングが効果的です。

基本は、痛み、腫れを起こしている関節にテープを巻くだけで十分ですので、ぜひ、参考にしてください。

テーピング素材

我々の学会では、へバーデン結節にはテーピングを推奨しています。

  • キネシオテープ(伸縮性テーピング)
  • 自着性包帯
  • キネシオテープ(2.5cmサイズ)

キネシオテープ(伸縮性テーピング)
へバーデン結節 テーピングへバーデン結節 テーピング
伸縮性のテーピングを巻くだけでよく、撥水性もあるので、ある程度の水仕事にも対応可能です。

メリット ドラッグストアなどで販売されているので購入が簡単
しっかりと張り付くので固定力がある
ゴルフ・テニスなどスポーツをする時に最適
デメリット 撥水性があるが長時間の水仕事の後は張替えが必要
肌がかぶれるリスクがある

自着性包帯(2.5cmサイズ)
へバーデン結節おすすめテーピングへバーデン結節おすすめテーピング
ヘバーデン学会では、自着性包帯でのテーピングを推奨しています。

指先 第一関節 DIP関節 痛み テーピング指先 第一関節 DIP関節 痛み テーピング
自着性包帯は、固定力が優れ、取り外しが可能で何度も使用できるのが最大のメリットです。

メリット 指サイズも販売しているので準備が簡単
取り外しが可能
水仕事で濡れても、外して少し乾かすだけで再利用可
厚みがクッションとなり、ぶつけた時の痛みを緩和させる効果もある
指にシップを貼った上に貼ると、シップの固定にもなる
デメリット 外れる事がある
購入がやや困難(調剤薬局などで購入可)

温めるのか冷やすのか

へバーデン結節の治療の基本は血流を良くする事です。
その為、普段から温める事が症状改善に繋がります。

  • お風呂にゆっくりと入る
  • 冬場はカイロなどの活用を
  • 冬場はテーピングも冷え予防になります

例外として、次のような場合は冷やしましょう。

  • ゴルフ・テニスなど手先を使うスポーツの直後
  • 仕事で重い物を運んだ直後
  • 患部を触って熱を持っている時

冷やし方は、アイスパックなどで5~10分ほどで十分です。

マッサージは効果的か?

お話を聞いていると、強めにゴリゴリとマッサージするという人がいます。しかし、強めのマッサージは痛み・腫れを強くするので症状が悪化するのでお勧めしません。

もしマッサージをするのであれば、お風呂に入っている時に指先を軽く擦る程度のマッサージに留めてください。

最後に

残念ながら、現在の医療では、へバーデン結節は問題視されていない疾患です。そのため、診察も軽く流される事が多く、その対応が患者さんの不安を大きくするという現実があります。
「へバーデン結節は指が曲がり切れば痛みがなくなる」という医師もいますがどうでしたか?医師の言う通りにしたらへバーデン結節の痛みは楽になりましたか?へバーデン結節は適切な処置で治ります。「病院の先生が治らないって言ったから治らないんだ。。。」と思い込む必要はありません。お悩みの方は、ぜひ、ご相談ください。